溝渕雅男:共栄法律事務所パートナー。1982年生まれ奈良県出身。大阪市立大学を卒業後、弁護士資格を取得。中小企業の事業再生・M&A・事業承継に関するプロフェッショナルとして幅広く活動している。
保険営業
(株)グッドウィン 吉﨑彩友奈
弁護士
共栄法律事務所 溝渕雅男
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共栄法律事務所 溝渕雅男
なんでも屋の弁護士
「専門分野は何ですか?」弁護士をしていると、必ずと言って良いほどこのようなご質問をいただきます。かつての私は、その時「労働問題、契約書チェック、債権回収、M&A、事業再生、あらゆる案件に対応できます!すべてお任せください」と答えていました。弁護士には医者ほどとは言わなくても、得意分野・不得意分野が当然あります。しかし、それを正直に言うと仕事をもらえるチャンスを失ってしまうのではないかという不安がありました。そのため、ひとまず「何でもできます」と答えていたのです。もちろん弁護士になって一定期間は、得意・不得意に限らず、あらゆる分野の案件を経験してみることに価値があります。多分野の事件に対応することで弁護士としての足腰が鍛えられ、弁護士としての力量がアップします。特に、大阪で中小企業を主な顧客としている私にとっては、若手の頃に多種多様な案件を経験したことが確実に活きています。しかし、あらゆる業種でそうだと思いますが、まずは相手の記憶に残らなければ仕事をいただくことはできません。今や、異業種交流会にいけば必ず弁護士がいる時代です。「何でもできます」では、記憶にすら留めてもらえません。仕事欲しさに「何でもできます」と言うことは、むしろ仕事をいただけるチャンスを逃してしまうという皮肉な結果をもたらします。
溝渕雅男:共栄法律事務所パートナー。1982年生まれ奈良県出身。大阪市立大学を卒業後、弁護士資格を取得。中小企業の事業再生・M&A・事業承継に関するプロフェッショナルとして幅広く活動している。
強みに特化したブランディング
どうせやるなら、好きな仕事や得意な仕事をやってみたい、それでダメならその時考えよう、と若干開き直った私は「自分が好きで得意なこと」に特化することを決めました。それは企業の事業再生、M&Aや事業承継といった分野でした。これらの分野に共通しているのは訴訟と異なり、クライアントと一緒にこれからの未来を作っていくという点です。特に事業再生には、強い思い入れもありますし、豊富な経験もあるという自負がありました。そのため、なぜ自分が事業再生の専門家を目指したのか?なぜ事業再生のプロフェッショナルと言えるのか?といったことは、スラスラ話すことができます。この時の言葉は、仕事欲しさに相手の顔色を見て話すというものではなく、自分が普段から本心として思っていることです。嘘はまったくなく、思いの丈を熱く語ることができました。自分の本心に従うと、そこに嘘や虚飾が混じる可能性がなくなり、純度・熱量が上がります。好きなことで生きていくというキラキラした話ではなく、戦略として自分の好きな分野を追及していく方が良いと単純に思いました。
発信し続けることをやめない
もう一つ重要だと感じたことは「発信し続ける」ことです。自分の専門分野や仕事に対する向き合い方、仕事にかける想いを出会う人に伝え続けました。現在、クライアントや名刺交換をさせていただいた方々に、毎週1回メールマガジンを発行しています。私の専門分野である事業再生・M&A・事業承継に関するコラムと、最近読んだ本の感想(ビジネス書に限らず、小説や漫画について書くこともあります)を書くようにしています。メルマガにより、思い出していただく機会が増え、私の人となりや専門性を知っていただけるようになったと思います。発信をしてみて感じたことは、思ったより見られていないが、思ったより見てくれているということです。私は元々目立つことが得意な方ではないので、メルマガによる発信をすることで恥ずかしい思いをするのではないか、という不安がありました。しかし、自分自身が気にするほど、周りの人は注目していません。恥をかくとしても、ごく僅かなことです。他方で、久しぶりにお会いするクライアントからはメルマガの話をしていただくことが多く、意外とちゃんと見てくれているのだと感じます。このように、発信をしてみたところ、デメリットはほとんどなく、メリットの方が多いと感じています。私の現在の仕事は100%紹介であり、異業種交流会等に行って新規営業をすることもありません。そのため、動画を用いる際も、新規営業が目的ではありません。既存のクライアントや仕事をご一緒する他士業の方々に見てもらうことを想定しています。世の中に弁護士がたくさんいる中で、忘れられず、思い出してもらえる存在になることは重要です。
先駆者利益
もちろん、専門家としての中身が伴うことは大前提で、プロフェッショナルであり続けるために自己研鑽を続けることは必須です。中身がなければただの張りぼてです。しかし、能力を磨き続けても案件がなければ仕事はできません。また、我々の仕事は経験が重要な価値を持つため、能力を磨くためにも案件が必要といえます。そのために、発信し続けることが非常に重要だと考えています。発信する内容は二つ。一つは専門性、二つ目は人間性です。文章は多くの知識や情報を送ることができ、どちらかというと専門性を伝えるのに向いています。動画は、話し方や表情も伝わるため、人間性を伝えるのに向いています。また、動画は、初めてのことを学ぶのにも向いています。導入部分を講義により理解し、より深く掘り下げていくためには自ら学習し、議論をしていくというのが正しい流れです。士業が、動画による定期的な情報発信をしていることはほとんどないと思います。今後、動画を使って自分の認知度を高め、クライアントとの絆を繋いでいくことは増えていくと思います。何事も先駆者利益がありますので、今、何か感じることがあれば、動画を活用した発信を検討してみた方が良いかもしれません。
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